慢性疲労症候群の障害年金申請
目次
1.慢性疲労症候群とは
慢性疲労症候群(CFS:Chronic Fatigue Syndrome)は、単なる疲れや睡眠不足とは異なり、休息をとっても回復しない強い疲労感が長期にわたって持続する疾患です。
- 【主な症状】主な症状は、以下のとおりです。
- 強い全身の倦怠感
- 集中力や記憶力の低下
- 質の悪い睡眠
- 筋肉痛、関節痛、頭痛
- 微熱、頭痛、のどの痛み
- リンパ節の腫れ
- 労作後の極度の疲労(PEM: post-exertional malaise)
これらの症状は複数重なることが多く、日常生活に大きな影響を与えます。
- 【診断】
CFSは、定められた臨床検査を受け、他の病気(臓器不全、慢性感染症、膠原病、神経性疾患、系統的治療を必要とする疾患、内分泌・代謝疾患、原発性睡眠障害、精神疾患)を除外した上で診断されます。診断基準には、6か月以上続く疲労感と複数の関連症状の存在が含まれます。
まずは身体的な疾患の可能性を除外するために内科を受診することが推奨されています。
詳しい基準の解説や医療機関の情報については、ME/CFS 支援ネットワーク>>>をご覧ください。
2.【重要】慢性疲労症候群における「初診日」の証明:申し立て初診日
慢性疲労症候群は、一般的な血液検査や画像検査などでは、異常が見つかりません。
初診日を特定することが困難なことが多くなります。
最初から慢性疲労症候群と確定診断ができるお医者さん自体も少ないため、様々な医療機関を受診して、ようやく診断名が付くことの多いので、初診日の特定が難しい傷病です。
初診時、以下のような病名で診断されることがあります。
・風邪
・自律神経失調症
・更年期障害
・うつ病 など
厚生労働省は令和3年に、他の障害と同様にその症状を初めて訴えた時点を初診日として扱うよう事務連絡を出しました。
丁寧に、記憶をたどって、初診日を確定しないと、不利益を被ることになります。十分に注意しなければなりません。
2-1.初診日が及ぼす影響とは
初診日の特定が以下の事項に影響を及ぼす可能性があります。
- 【納付要件】
確定診断日において納付要件を満たしていなかったが、本来の初診日において納付要件を満たしていた場合、受給できる可能性があります。 - 【年金の種類】
たとえば、会社員として働いていた時に最初の症状で受診し、その後退職して国民年金に切り替わってから確定診断を受けた場合、確定診断日を初診日とすると、障害基礎年金の扱いとなり、3級程度の症状では受給できません。しかし、会社員時代の最初の受診日を初診日として認められれば、障害厚生年金の対象となり、3級で受給できる可能性があります。
また、同じ2級と認定されてた場合、障害厚生年金の方が、受給金額が大きくなります。
2-2.申し立て初診日
上記のように「どの日が初診日か」によって、受給の可否や受給額が大きく変わる可能性があります。従来は「慢性疲労症候群と確定診断された日」が初診日とされる傾向がありましたが、令和3年8月24日に厚生労働省が取扱いを明確化し、条件を満たせば確定診断前の受診日も初診日として認められるようになりました。これを「申し立て初診日」といいます。
本来、障害年金でいう初診日とは「障害の原因となった傷病について、初めて医師の診療を受けた日」のことです。
しかし、慢性疲労症候群の場合、最初から「慢性疲労症候群」と診断されることは少なく、一般的には次のような受診日が初診日になります。
- 強い疲労感などで、内科などを受診した日
- 強い疲労感や不眠、意欲低下などがあり、心療内科や精神科などを受診した日
慢性疲労症候群は、発症からしばらくは確定診断が付かないことも多いため、診断名が「自律神経失調症」や「慢性疲労症候群の疑い」などであっても、提出書類の内容や症状の経過から「原因がはっきりしない慢性的な疲労やだるさ」などの症状の診療であったと認められれば、その日が初診日として扱われます。
◇「線維筋痛症等に係る障害年金の初診日の取扱いについて」はこちら>>>>をご覧ください。
2-3.申し立て初診日が認められる条件
以下の1〜3のすべてを満たす場合、請求者本人が申し立てた初診日(申立初診日)が、障害年金の初診日として認められます。
- 申立初診日に係る医療機関が作成した診断書又は受診状況等証明書の記載内容から、申立初診日において、慢性疲労症候群の症状に係るものと認められること
申立初診日に受診した医療機関が作成した「診断書」「受診状況等証明書」に、慢性疲労症候群の症状について診療を受けていたと記載されていること。 - 慢性疲労症候群に係る確定診断を行った医療機関が作成した診断書(確定診断に基づき他の医療機関が作成した診断書を含む)において申立初診日が慢性疲労症候群のために初めて医師の診療を受けた日として記載されていること
- 発症直後に確定診断が行われなかった理由に関する申立が行われていること
具体的には、以下のすべてが満たされている必要があります。
- ◇受診状況等証明書
- ②傷病名欄:「全身性疼痛」や「身体の広範囲に及ぶ慢性疼痛」などの記載
- ⑤発病から初診までの経緯欄:「全身性疼痛あり」や「身体の広範囲に及ぶ慢性疼痛あり」などの記載
- ◇病歴・就労状況等申立書
- 「申立初診日ごろに身体の広範囲にわたって疼痛を感じるようになった」等の記載
- 「当初は、頸部痛、肩痛、腰痛などであり、痛み止めとリハビリ治療のみで、医師の診断は、専門医ではなかったため、的確な診断が行われなかった。」等の確定診断できなかったなど、確定診断に時間がかかった理由を記載
- ◇診断書
- ③欄の年月日欄:受診状況等証明書の⑥初診年月日と一致
- 初診日以降に医療機関への未受診期間がある場合は、線維筋痛症の症状が継続していた旨の記載
3.慢性疲労症候群の診断書
慢性疲労症候群の申請には、「血液・造血器・その他の障害用診断書」を使います。
3-1.重症度分類PSの記載
診断書⑨「現在までの治療の内容、期間、経過、その他参考となる事項」欄に、次の旧厚生省研究班の重症度分類PS(=Performance status(パフォーマンス・ステータス))のいずれに該当しているか記載するされていることが必要です。
| PS値 | 日常生活の状態目安 | 障害等級の目安 |
| PS0 | 倦怠感がなく平常の社会(学校)生活ができ、制限を受けることなく行動可能。 | 受給対象外の可能性 |
| PS1 | 通常の社会(学校)生活ができ、労働(勉強)も可能であるが、疲労感を感ずるときがしばしばある。 | |
| PS2 | 通常の社会(学校)生活ができ、労働(勉強)も可能であるが、全身倦怠感のため、しばしば休息が必要。 | |
| PS3 | 全身倦怠感のため、月に数日は社会(学校)生活や労働(勉強)ができず、自宅にて休養が必要である。 | 受給対象外~3級相当の可能性 |
| PS4 | 全身倦怠感のため、週に数日は社会(学校)生活や労働(勉強)ができず、自宅にて休養が必要である。 | |
| PS5 | 通常の社会(学校)生活や労働(勉強)は困難である。軽作業は可能であるが、週のうち数日は自宅にて休息が必要である。 | 3級相当の可能性 |
| PS6 | 調子のよい日には軽作業は可能であるが週のうち50%以上は自宅にて休息が必要である。 | |
| PS7 | 身の回りのことはでき、介助も不要であるが、通常の社会(学校)生活や軽労働(勉強)は不可能である。 | 2級相当の可能性 |
| PS8 | 身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、日中の50%以上は就床している。 | |
| PS9 | 身の回りのこともできず、常に介助がいり、終日就床を必要としている。 | 1級相当の可能性 |
3-2.その他審査される事項の記載が重要
上記はあくまで目安であり、PS値だけで等級が決まるわけではありません。障害年金の審査では、以下の項目も総合的に判断されます。
- 労働能力の喪失の程度
- 日常生活能力(食事、排泄、入浴などの自立度)
- 実際の就労状況(雇用形態や職場の配慮など)
3-3.「病歴・就労状況等申立書」との整合性
診断書に記載された「日常生活能力」や「現症時の就労状況」の内容が、「病歴・就労状況等申立書」の記載内容と乖離していないかを確認することが大切です。
4. まとめ
「線維筋痛症」での障害年金申請は、留意すべき点がいくつも存在します。
当センターでは、初診日が不明確なケースの調査・証明サポートも行っています。
ぜひ一度、無料相談をご活用ください。

少しでも障害年金に該当する可能性があると思いになった方は専門家による障害年金受給診断チェックを申し込まれることをお勧めします。
障害年金受給診断は無料で行なっております。
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