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交通事故などの第三者行為による障害年金

交通事故や労災事故などが原因で残った障害のために障害年金を申請するとき、第三者行為の届出が必要ですと言われて困っているのではないでしょうか。
どうして申告が必要な理由、第三者行為での障害年金の取り扱い、書類を提出する必要があるかなど、第三者行為と障害年金の関係について解説します。

1 第三者行為が原因の場合は障害年金が一定期間支給停止になる

交通事故など他者の故意や過失によって引き起こされた行為のことを第三者行為と言います。
第三者行為が原因で障害が残った場合、多くの場合は事故の相手方から賠償金や給付を受け取っているはずです。
第三者行為が原因の障害で障害年金を受給した場合、1つの事故について第三者からの賠償金と国からの年金という二重の補償を受けることになります。
そのため、年金を一時支給停止にすることで二重の補償を受けることがないよう支給調整がされています。

2 支給停止になる期間

支給停止期間は、受け取った賠償金を基に決まります。
支給調整の対象になるのは受け取った賠償金のうち、「休業損害」や「逸失利益」等の生活保障に相当する部分のみです。治療費などの実出費や慰謝料などは支給調整の対象にはなりません。
支給停止期間のおおよその算出方法は下記の通りです。

2-1 支給停止期間は最長でも36ヶ月!

支給停止になる期間は事故が発生した日から最長でも36ヶ月間です。
ただし、障害年金を受給できるのは、「原則、障害のために初めて病院を受診した日(初診日)から1年6ヶ月後」です。

そのため、障害年金の受給が決定した時には18ヶ月が経過しているので、実質的には支給停止期間は最長でも18ヶ月間になることがほとんどです。
また、1年6ヶ月時点では障害年金を請求せずに、その後症状が悪化して障害年金を請求する事後重症請求の場合は、多くのケースで障害年金の受給が決定した時には36ヶ月が過ぎているため、支給停止にはならないことがほとんどです。
なお、平成27年9月30日以前に発生した事故の場合は支給停止期間は24ヶ月になります。

3 第三者行為の届出が必要なケース

第三者行為の届出をする最も多いケースは交通事故による後遺症で障害年金を申請する場合です。

その他にも、労災事故で労災保険から給付を受けている場合や、電車や船舶に乗っている際の事故、あまりないケースですが他者から受けた暴行等が原因の場合なども第三者行為の届出が必要になります。

自損事故の場合は厳密に言えば第三者行為ではありませんが、自分が加入している保険会社の人身傷害保険から給付を受けている場合は支給調整の対象となります。

4 第三者行為の場合に提出が必要な5つの書類

第三者行為で障害年金を申請する場合、通常の申請書類の他に、いくつか書類を提出する必要があります。

事故が起きた状況や相手方の保険会社などかなり詳細に記入する必要があります。
事故に関する書類を手元に集めて、社会保険労務士にご相談されることをお勧めします。

4-1 第三者行為事故状況届

第三者行為が原因であることの届出です。
事故の相手方は誰なのか、どんな状況で事故が起きたのか、どのくらい賠償金を受け取ったか、などを申告する書類です。

詳しくは、第三者行為事故状況届(書式)>>>

4-2 確認書

障害の原因となった事故について賠償金等を受け取った場合、障害年金が一時的に支給停止になることがあります。そのことについての同意書です。

4-3 交通事故証明書

障害の原因となったのが交通事故であれば、事故が起こったことの証明として交通事故証明書を提出します。
ただし、交通事故証明書は事故が起こった日から5年以内でないと取得できません。交通事故証明書が取得できない場合は、事故についての新聞記事などでもかまいません。

4-4 損害賠償額のわかる書類

保険金お支払いのはがきや裁判をした場合は和解調書など、受け取った賠償額がいくらなのか確認できる書類を提出します。

4-5 賠償額の内訳がわかる書類

受け取った賠償額の全てが支給調整の対象になるわけではありません。
治療費や慰謝料は支給調整額から控除されるので、保険会社から提示された損害額の明細書や、治療費の領収書など、賠償金の内訳や実際に支出した費用がいくらなのかわかる資料があれば提出します。

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