【60代男性(アレルギー性気管支肺真菌症)3級】15年以上前の初診日の証明
男性:60代
傷病名:アレルギー性気管支肺真菌症
決定した年金種類と等級:障害共済年金3級
支給月から更新月までの支給総額:約185万円
ご相談に来た時の状況
17年前激しい咳、喘鳴、高熱が続き近くの病院を受診。レントゲンで肺が真っ白に炎症しているのがわかり、即刻入院となった。
医師から「アスペルギルス菌が原因の稀な肺炎による重篤な症状。もしあなたが60歳なら死んでいた可能性もあった」(当時43歳)と言われた。
その後、服薬しながら大学講師の仕事を続けたが、知人から障害年金の制度がある事を聞き60代の自分でも申請が出来るか聞きに来られ受任となりました。
初診が17年前で、当時の医療機関は廃院しており、「受診状況等証明書」の取得に困難が予想されました。
初診日証明のポイント
【初診日の証明の重要性】
障害年金における「初診日」とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日を指します。 この初診日は、障害年金を受給するための以下の3つの要件すべてに関わるため、非常に重要です。
- 初診日要件:初診日が、国民年金または厚生年金保険の被保険者期間中(20歳前や60歳以上65歳未満で日本国内に居住している期間も含む)であること。
- 保険料納付要件: 初診日の前日において、一定の保険料納付要件を満たしていること。
- 障害状態要件:障害認定日(原則として初診日から1年6か月後、またはそれ以前に症状が固定した日)に、法令で定められた障害の状態にあること。
【初診日の証明のポイント】
障害年金を請求するには、初診日を明らかにする書類(受診状況証明書)が必要です。この書類は医療機関で作成してもらうのですが、当時の診療録(カルテ)に基づいて事実を証明する必要があります。しかし、終診(転医)から5年を経過していると、当時のカルテが破棄されていることがあります。あるいは初診の病院がすでに廃院してしまっていることもあります。
そうした場合、2番目に受診した医療機関の受診状況の証明書と、初診日を合理的に推定できる具体的な参考資料により、本人が申し立てた日を初診日と認められる場合があります。
例えば、A→B→C→Dと病院が変わってD病院で診断書を作成してもらう場合は、A病院の受診状況等証明書が必要になります。
こうした場合、Aで受診状況等証明書が取れないため、次に古いB病院で入手します。
もし、B病院でも入手できない場合はC病院で。古い順番で追いかけます。その時に添付する書類が「受診状況等証明書が添付できない申立書」です。
上記の場合、でC病院で入手できたなら、AおよびB病院分の「受診状況等証明書が添付できない申立書」が必要になります。
この書類は本人が記載するものですから、以下の参考資料が求められます。
~具体的な参考資料の例~
- 身体障害者手帳・療育手帳、精神障害者保健福祉手帳
- 身体障害者手帳等の申請時の診断書
- 生命保険・損害保険・労災保険の給付申請時の診断書
- 交通事故証明書
- 労災の事故証明書
- 事業所等の健康診断の記録
- インフォームド・コンセントによる医療情報サマリー
- 健康保険の給付記録(健康保険組合や健康保険協会等)
- 次の受診医療機関への紹介状
- 電子カルテ等の記録(氏名、日付、傷病名、診療科等が確認されたもの)
- 医療機関の入院記録や診察受付簿
- 健康保険の診療明細書(レセプト)
- 生命保険等の保険金請求時の診断書コピー
- お薬手帳、糖尿病手帳、領収書、診察券(可能な限り診察日や診療科が分かるもの)
- 第三者証明
- その他(例えば、交通事故による請求で事故証明が取得できない場合、事故のことが掲載されている新聞記事を添付するなど)
当センターによるサポート
初診が17年前で、当時の医療機関は廃院しており、受診状況等証明書が取れず苦労しました。
その後に通院された病院は、統廃合で5年以上前のカルテは完全に破棄されており、何も証明する資料が入手できませんでした。
どうにか第三者証明を取り初診日の証明ができました。
ご本人のご記憶も曖昧な点が多々ありましたが、ご家族やご友人などのご協力もあり、病歴・就労状況等申立書も作成できました。
結果
障害厚生金3級の認定を得ることができました。
「日常の御苦労がすこし報われた」と、ご家族にも大変喜んでいただきました。
本件のように、通院歴が長い場合は、受診履歴の確認が非常に困難となります。細かく、丁寧なヒアリングにより確認することが出来ました。お困りの際には、是非、ご相談ください。



