【60代女性<脳腫瘍での高次脳機能障害>1級】症状固定日が認定日
女性:60代
傷病名:脳腫瘍による高次脳機能障害
決定した年金種類と等級:障害基礎年金1級
ご相談に来た時の状況
約1年前、視野が半分消失したことで医療機関を受診。検査の結果、側頭葉に大きな腫瘍を発見し、緊急で開頭腫瘍摘出手術受けた。
術後複視や身体麻痺、頭痛、めまいなどの後遺障害に苦しんでいた。またうつの症状も発症していた。
リハビリを行いながら2か月後長女と同居するために転居したタイミングでご相談にこられました
申請のポイント
【診断書の選択】
「脳腫瘍」での障害年金申請は可能です。脳腫瘍の主な症状には、頭痛、吐き気、目のぼやけといった一般的なものから、腫瘍ができた場所によって現れる局所症状(四肢麻痺、言語障害、高次脳機能障害、視野異常など)があります。病状は千差万別です。
一般的に「がん」「悪性新生物」によって全身の倦怠感や衰弱が顕著な場合、基本的には「血液・造血器、その他の障害用診断書」を使用します。
「脳腫瘍」のように、一部分への症状が顕著な場合には、以下のように部位に応じた診断書を使用した方が良い場合があります。
一例をあげると、
- 四肢麻痺が顕著な場合:肢体の障害用診断書
- 視力低下、視野欠損など眼の症状が顕著な場合:眼の障害用の診断書
- 言語障害が顕著な場合:腎疾患・聴覚、鼻腔機能、平衡機能、そしゃく・嚥下機能、音声又は言語機能の障害用診断書
- 高次脳機能障害が顕著な場合:精神の障害用診断書
それぞれの障害の状況に合わせて、「診断書」を選ぶ必要があります。「診断書」を選ぶことは、「認定基準」を選ぶことです。
申請において大変重要なポイントです。
【高次脳機能障害とは】
ケガや病気により、脳に損傷を負うと、次のような症状がでることがあります。
記憶障害
・新しいできごとを覚えられない。
・物の置き場所を忘れる。
・同じことを繰り返し質問する。
注意障害
・ぼんやりしていて、ミスが多い。
・ふたつのことを同時に行うと混乱する。。
・作業を長く続けられない。。
遂行機能障害
・自分で計画を立ててものごとを実行することができない。
・人に指示してもらわないと何もできない。
・約束の時間に間に合わない。
社会的行動障害
・興奮する、暴力を振るう。
・思い通りにならないと、大声を出す。
・自己中心的になる。
空間認識能力の低下
・通い慣れた場所から帰宅できない。
・家をでたら近所が見たこともない風景に思える。
【認定日の特例】
障害年金の障害認定日は、原則として事故による初診日から1年6か月経過した日です。
ただし、例外的に1年6か月以内であっても「症状が固定し、それ以上治療の効果が期待できない状態(症状固定)に至った日」が認定日となる場合があります。
当センターによるサポート
症状をお伺いすると、
脳腫瘍による「高次脳機能障害」が顕著であることが判りました。
そこで精神の障害用診断書で申請することにしました。病歴・就労状況等申立書を症状に応じ作成しました。症状や日常生活における支障を主治医にお伝えしました。
また、「症状固定による認定日特例」が認められるとは判断し、初診日より4ヶ月足らずの時期でしたが、「症状が固定していること、回復の見込みがないことを診断書面に明記していただき申請しました。主治医にお願いしました。
結果
障害基礎年金1級の認定を得ることができました。
大変喜んで頂きました。
本ケースは、最も症状が顕著である診断書を選び、申請したケースです。
「がん」による障害年金申請で困られていましたら、ご相談ください。



