【50代女性<てんかん>2級】20代で発症_遡及請求が認められる
女性:50代
傷病名:てんかん
決定した年金種類と等級:障害基礎年金2級
支給月から更新月までの支給総額:約640万円
ご相談に来た時の状況
26才で発症。
てんかんにより発作が度々発生。
発作時には介助が不可欠で、発作が無いときも、いつ発作が起きるかわからず、日常生活もままならない状況、ということでご相談にみえました。
てんかんでの申請のポイント
てんかん発作については、「抗てんかん薬の服用や、外科的治療によって抑制される場合にあっては、原則として認定の対象にならない。」と定められています。
つまり、「抗てんかん薬」を服用し、十分に加療を受けていても、発作が起こる場合に、以下の2点で認定されます。
- 発作の重症度(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や発作頻度
- 発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、社会的活動能力の損減を重視した観点
更に、以下の内容が定められています。
- 様々なタイプのてんかん発作が出現し、発作間欠期に精神神経症状や認知障害を有する場合には、治療及び病状の経過、日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。
- てんかんとその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合 (加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。
てんかんでの障害年金の認定には、発作のタイプと回数が定められています。
| 障害の程度 | 障害の程度 |
| 1級 | 充分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上ありかつ、常時の援助が必要なもの |
| 2級 | 充分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの |
| 3級 | 充分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が制限を受けるもの |
※発作のタイプは以下のとおりです。
- A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
- B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
- C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
- D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
当センターによるサポート
「てんかん」での申請の場合。「精神用の障害用」診断書を使います。
20年間、初診の医療機関に通院治療を続けていらっしゃいました。
カルテも26歳から残存しており、発作の種類や回数もカルテに記載されていました。
お聞きすると、受診の際に「まあまあです」と応えていらしたとのこと。
遡及請求可能と判断し、請求を行いました。
結果
障害基礎年金2級の認定を得ることができました。
また、認定日請求が認められ、遡及分の受給も決まり、大変喜んでいただきました。
障害年金の申請において、医師の診断はとても重要な要素となります。本件のように医師に症状・発作の回数、日常生活の様子などが正確に伝わっていないということがよくあります。 こうしたことは、受診時に、つい「まあまあです」と答えがちであったり、何と伝えればいいのかわからなかったり、診療時間が限られていたりする中においては、仕方がないことかもしれません。 こうした方へのサポートはまさに私たちの役目です。相談者もご家族も聞き出してもらうことで整理がついていくことたくさんあるかと思います。今後もこうした方のお役に立っていければと存じます。



