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【40代男性<脳出血・高次脳機能障害>2級】発症後、就労困難状態に

男性:40代
傷病名:脳出血・高次脳機能障害
決定した年金種類と等級:障害厚生年金2級

ご相談に来た時の状況

約2年前に発症、程なく退職。現在は無職の状態でご相談がありました。

脳出血・脳梗塞 申請のポイント

脳卒中(脳出血・脳梗塞)の場合、後遺症の種類としては肢体麻痺が多く、いわゆる「肢体の障害」として障害年金を請求する事例が中心です。
しかし、出血部位によっては、めまいが後遺症として残り「平衡機能の障害」として障害年金を請求する事例や「高次脳機能障害」として請求する事例もあります。
また複数の障害が残る場合もあります。
この場合、どの診断書を使うのが適切なのか、どういう請求にするべきかを検討してから障害年金の申請を進めることが大事です。

高次脳機能障害とは

私たちの脳には「考える」「判断する」「記憶する」「感情をコントロールする」といった高度な機能があり、これを高次脳機能と言います。
脳がダメージを受けると、こうした高度な機能が損なわれ、今までと同じように日常生活や社会生活を送ることが難しくなることがあります。これを高次脳機能障害と言います。
高次脳機能障害の原因となるものは以下のような場合です。

外傷性によるもの 交通事故、転倒など
脳血管障害 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血
その他 低酸素脳症、 脳腫瘍術後の後遺症など

高次脳機能障害の症状

注意障害 じっくりと仕事に集中できないなどの注意の持続困難、作業が始まると他の人の声かけに適切に反応できないなどの注意の分配困難などの障害
記憶障害 新しいことの記憶が困難、最近のことが思い出せない、約束ができないなどの障害
遂行機能障害 日常生活や仕事の内容を計画して実行することの障害
社会的行動障害 自分の行動や感情をコントロールすることの障害
半側空間無視 目の前の空間の半分(多くは左側)に注意が向かない障害
失語症 話す、聞いて理解する、書く、読むことの障害
失行症 麻痺はないのに、意図した動作や指示された動作ができなくなる障害
半側身体失認 身体の麻痺側への注意が払われず、認識が低下してしまう障害
地誌的障害 地理や場所が分からなくなる障害
失認症 見ているもの、聞いているもの、触っているものが分からなくなる障害

  出典:「高次脳機能障害者地域支援ハンドブック」より抜粋

当センターによるサポート

ご相談者の場合、肢体の障害より、言語や、脳の情報処理など、複数の障害が顕著でしたので、「高次脳機能障害」で申請することになりました。

「高次脳機能障害」での申請の場合。「精神用の障害用」診断書を使います。

言語や、脳の情報処理など、複数の障害がありましたので、日常生活での不便を網羅できるよう丁寧に聞き取りを行い病状・就労状況申立書を作成しました。

 

結果

障害厚生年金2級の認定を得ることができました。症状の改善が望めない障害のため、今後も就労は難しいが、生活の目処が立ったと大変喜んで頂きました。

本ケースは、障害が最も顕著な診断書を選択することにより、スムーズに障害年金の認定が下りたケースです。
こうした判断が難しい場合は、当センターにお問い合わせください。