【40代女性<双極性障害>2級】不支給決定後、審査請求、再審査請求の結果2級の認定
女性:40代
傷病名:双極性障害
決定した年金種類と等級:障害基礎年金2級
審査請求・再審査請求
ご相談に来た時の状況
- 約15年前に、前夫の逮捕をきっかけにうつを発症。希死念慮あり自殺企図。
- 睡眠薬を常用するうちに依存状態が強くなる。
- 再婚、離婚、再再婚を経るうちに解離性障害、双極性障害を発症し入院。
- 退院後も日常生活における全てを娘と夫に依存している。
審査請求・再審査請求とは
障害年金を請求すると、おおむね3か月程度で結果がご自宅に郵送されます。
年金がもらえる場合には年金証書が、不支給や却下となった場合には「不支給決定通知書」や「却下通知書」が届きます。
年金の手続は、必ずしもこちらの思った結果になるとは限りません。
更新で年金が止まってしまったり、額改定が認められなかったり、思ったより低い等級にされてしまうこともあります。
【審査請求(1回目の不服申立て)】
「下された処分に不服がある場合は、全国に8箇所ある厚生労働省地方厚生局の社会保険審査官に不服の申立てをすることができます。
この手続きをと「審査請求」言います。
- 審査請求は決定があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に文書または口頭で行います。
- 審査請求は下された処分に不服がある場合のみ行えます。
審査請求が可能な場合は以下になります。 - 年金の請求が認められなかった
- 年金の請求は認められたが、等級が低かった
- 更新で等級が下がった、または支給停止になった
- 額改定請求や支給停止事由消滅届が認められなかった
更新で(上がると思っていた)等級が変わらなかったという場合は、「処分がない」とみなされるため、仮に不服があっても審査請求は出来ません。
【再審査請求(2回目の不服申立て)】
「審査支給で下された処分に不服がある場合は、2度目の不服の申立てをすることができます。
この手続きをと「再審査請求」言います。
- 再審査請求は決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して2か月以内に文書または口頭で行います。
- 審再審査請求書が受理されると、約半年後に公開審理の案内文書が郵送され、希望すれば、出席して意見を述べることができます。公開審理は東京にある厚生労働省 社会保険審査会で行われます。
- 結果が出るまでは、審査請求よりも長く、6~9か月程度かかることが一般的です。
- 結果は、郵送される「裁決書」で確認します。
「裁決書」の内容は、次の3つです。 - 不服の訴え(主張)を認める「原処分を取り消す」(=「容認」)
- 不服の訴え(主張)を認めない「棄却」
- 請求期限を過ぎている等で審査自体が行われなかった「却下」
当センターによるサポート
①通常請求
病歴が長く、且つ、通院した医療機関が多数でしたので、通院歴と、頻繁な入・通院歴を丁寧に聞き取りました。
15年前の初診の医療機関には、保存期間を超えていて、カルテがありませんでした。
次の医療機関には入院記録のみ残っていましたので、初診を証明することが出来ました。
3カ月後、審査会より追加の書類の提出を求められ、提出しました。
更に1カ月後、不支給が決定しました。
②審査請求
日常生活における支障の程度をもって、決定不服の申し立てをおこないました。
3カ月後、不支給が決定しました。
①再審査請求
2度の請求で「不支給」となった状況を開示請求しました。
審査会では「同人の日常生活状況の制限は一日7錠服用と言う睡眠剤の乱用が原因であり、双極性傷害のためではない」とされていたことが判明しました。
「依存傾向はあるが依存症ではなく、そのため睡眠薬による器質性精神障害の症状と気分障がいの症状を総合的に判断し認定すべし」と、不服申し立てをおこないました。
結果
粘り強い対応の結果、障害基礎年金2級が決定しました。
審査請求、再審査請求を行い、丸2年を要して受給に至りました。
本ケースのように、個人で申請された場合、審査請求や再審査請求が通る確率は非常に低いのが実情です。
困られていましたら、ご相談ください。



