【30代男性<うつ病・自閉症スペクトラム>3級】就職後に困難が顕在化
男性:30代
傷病名:うつ病・自閉症スペクトラム
決定した年金種類と等級:障害厚生年金3級
支給月から更新月までの支給総額:約120万円
ご相談に来た時の状況
子供の頃から人と合わせることや勉強が苦手でした。心療内科を受診したところ、うつ病と自閉症スペクトラムと診断されました。
また、社会人になってからも会話が出来ない、業務や会議について行けない、同じミスを繰り返すなどの困難さが生じ、対人恐怖症も現れました。
心療内科を受診し治療を受けましたが、会社で部署異動がありショックで消えて無くなりたいと思う様になり、退職。
そんな折障害年金の制度を知り来社されました。
申請のポイント
【申請のポイント1:診断書「①障害の原因となった傷病名」】
- 「障害年金を請求する全ての傷病名及び該当するICD-10コードを記載」することになっており、複数の傷病名を記載できます。
- 「障害年金を請求するすべての傷病名を、主たる傷病名から順に、傷病名の冒頭に丸付き番号を①、②…と付して記載」してもらいます。
【申請のポイント2:発達障害(ADHD)と他の精神疾患が併存している場合の取扱い】
平成23年6月30日付にて発出された、厚生労働省年金局長通知「国民年金・厚生年金保険障害認定基準の一部改正について」において、 下表のとおり取り扱われることになりました。
| 前発疾患 | 後発疾病 | 同一疾病 |
| 発達障害 | うつ病 | 同一疾病 |
| 発達障害 | 神経症で精神病様態 | 同一疾病 |
| うつ病・統合失調症 | 発達障害 | 診断名の変更 |
| 知的障害(軽度) | 発達障害 | 同一疾病 |
| 知的障害 | うつ病 | 同一疾病 |
| 知的障害 | 神経症で精神病様態 | 別疾病 |
| 知的障害・発達障害 | 統合失調症 | 前発疾患の病態として出現している場合は同一疾患(確認が必要) |
| 知的障害・発達障害 | その他精神疾患 | 別疾病 |
【申請のポイント3:発達障害(ADHD)の初診日の取り扱い】
傷病によって「初診日」が例外的に取り扱われる場合があります。
●『初診日』の具体的な取り扱いの例
| 傷病名 | 『初診日』 |
| 先天性の知的障害 | 出生日 *知的障害であるとわかった日がいつであっても、原則、出生日が『初診日』となります。 |
| 発達障害(ADHD、自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群など) | ① 知的障害を伴わない場合…初めて医師の診療を受けた日 ② 知的障害を伴う場合…原則、出生日 |
| 先天性の心疾患、網膜色素変性症など | 具体的な症状が出て、初めて医師の診療を受けた日 |
| 先天性股関節脱臼 | ① 完全脱臼したまま生育した場合は、原則、出生日 ② 青年期以降になって変形性股関節症が発症した場合は、原則、発症後に初めて医師の診療を受けた日 |
当センターによるサポート
発達障害の場合は、生まれた時からの障害の状態を申し立てる必要があります。
また、お一人で生活されていましたので日常生活で直面する不自由な事柄を丁寧に記載しました。特に対人関係や金銭管理が上手くできないといったことをを具体的なエピソードを交えて「病歴・就労状況等申立書」に記載しました。
同時に離れてお住まいのご家族やご友人からのサポートに関しては、内容、頻度を「病歴・就労状況等申立書」に記載しました。
認定日、現在の2枚の診断書を取得いただくようご案内し、速やかに申請しました。
結果
障害厚生年金3級の認定を得ることができました。
本ケースは、発達障害とうつ病障害が併存しているケースでした。
主治医に現状を詳しく説明することが重要です。当センターはそのお手伝いをいたします。
困られていましたら、ご相談ください。



