【20代男性(てんかん)2級】日常生活状況を診断書に反映するよう主治医に依頼
男性:20代
傷病名:てんかん
決定した年金種類と等級:障害基礎年金2級
ご相談に来た時の状況
高校生の時に発症。
就職先では障害のためにパワハラに遭い退職.
新しい就職先も見つからず、職に就けないことから生きている価値がないと、ご相談に来られたときは、半ば自暴自棄になっておられました
てんかんでの申請のポイント
てんかん発作については、「抗てんかん薬の服用や、外科的治療によって抑制される場合にあっては、原則として認定の対象にならない。」と定められています。
つまり、「抗てんかん薬」を服用し、十分に加療を受けていても、発作が起こる場合に、以下の2点で認定されます。
- 発作の重症度(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や発作頻度
- 発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、社会的活動能力の損減を重視した観点
更に、以下の内容が定められています。
- 様々なタイプのてんかん発作が出現し、発作間欠期に精神神経症状や認知障害を有する場合には、治療及び病状の経過、日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。
- てんかんとその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合 (加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。
てんかんでの障害年金の認定には、発作のタイプと回数が定められています。
| 障害の程度 | 障害の程度 |
| 1級 | 充分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上ありかつ、常時の援助が必要なもの |
| 2級 | 充分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの |
| 3級 | 充分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が制限を受けるもの |
※発作のタイプは以下のとおりです。
- A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
- B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
- C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
- D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
当センターによるサポート
「てんかん」での申請の場合。「精神用の障害用」診断書を使います。
既に、ご自身で診断書を取られておられました。
しかし、意識を失う大発作があり、日常生活が著しい制限を受ける状態であるのにかかわらず、診断書では「社会生活が普通にできる」という記載になっていました。
お聞きすると、受診の際に「まあまあです」と応えていらしたとのこと。
これでは、主治医は日常生活に支障はないと判断します。
実際は日常生活において様々な支障がお有りでした。
丁寧に聞き取りし、主治医に文書でお伝えしました。
診断書を書き直してくださいました。
結果
障害基礎年金2級の認定を得ることができました。
「新しい就職先はまだ見つかっていないが、年金を受け取りながら、障害があっても働ける職場を探したい」と大変喜んで頂きました。
障害年金の申請において、医師の診断はとても重要な要素となります。本件のように医師に症状・発作の回数、日常生活の様子などが正確に伝わっていないということがよくあります。 こうしたことは、受診時に、つい「まあまあです」と答えがちであったり、何と伝えればいいのかわからなかったり、診療時間が限られていたりする中においては、仕方がないことかもしれません。 こうした方へのサポートはまさに私たちの役目です。相談者もご家族も聞き出してもらうことで整理がついていくことたくさんあるかと思います。今後もこうした方のお役に立っていければと存じます。



