就労と障害年金
目次
まずは結論からいうと、働きながらでももらえるかどうかは、障害の種類や雇用形態によって異なります。 障害年金法上は、働いて十分な収入がある場合でも受給を制限するような規定はありません。(ただし、20歳前障害は所得制限があります)
実際、3人に1人の方が働きながら、障害年金を受給されています。
しかし実際は、就労中だと障害が軽度だと判断されて受給できない場合が、多くあります。その主な理由は、
(1)「障害の種類による障害認定基準の違い」
障害年金制度上の障害は、認定基準が検査数値などの客観的に判断できる情報のみで定められたものと、「日常生活に支障が出ているかどうか」というような曖昧な情報も含まれたものの2種類に分けられます。
(2)「雇用形態などの就労状況」
にあります。
1.就労の有無が審査にほとんど影響しない傷病:障害認定基準が明確
- 視力・視野障害や聴覚障害、手足の障害
検査数値のみで認定基準が定められており、働けていても関係なく、数値基準を満たしていれば障害等級に対する就労の影響は少ないと考えられます。 - 等級が原則として決まっている障害
人工透析:2級 人工関節:3級
心臓移植や人工心臓:1級 人工弁、心臓ペースメーカー:3級
人工肛門:3級 など
原則として等級が決まっている傷病も、就労の影響は少ないと考えられます。
2.就労実態が審査に影響する傷病
就労実態が審査に影響する傷病には、うつ病などの精神疾患や内臓疾患があります。
精神疾患や内臓疾患は、傷病の程度を数値で表すことが難しく、診断書の内容で、日常生活にどの程度制限を受けているのか確認されることになります。
あわせて診断書には就労実態に関わる診断項目や報告欄が設けられており、就労の有無は審査に影響を及ぼすのです。
内科系疾患の認定基準は検査数値だけでなく、「日常生活に支障がでている」ことが認定の基準ですので、支障が出ていないと見なされれば、いくら検査結果が重度であろうとも、年金が支給されません。
精神の障害は、そもそも目には見えない障害ですので、「日常生活に支障がでているかどうか」という観点のみで審査されてしまいます。
内科系疾患や精神の障害の場合、「働けているから支給しない」のではなく、「働けるくらい元気なら日常生活にも支障がでていないはず」と判断されるのです。
しかし、就労しているからといって、必ずしも「不支給」になるわけではありません。
働いている場合は、どのような労働環境で、どのような仕事をしているかがポイントになります。
働きながら障害年金を受給する!①【雇用形態や労働環境・職場の配慮】
働きながら、障害年金を受け取れるケースがあります。
3-1.【雇用形態】
日常生活に支障がでているかどうかという曖昧な項目が認定基準に含まれている障害は、就労していれば障害状態が軽度であると見なされることが、ほとんどです。
就労が「一般雇用」の場合は、フルタイム勤務だけでなく、時短勤務や週1~2日だけのパートタイム勤務でも影響がでてしまう可能性があります。
一方、働きながら障害年金を受給できる可能性が高いのが、「障害者雇用」や「特例子会社」に勤務しているの場合です。
これらの「雇用形態は配慮が必要な状態での就労」ですから、働けるほど元気だと見なされず、障害年金の審査(更新を含む)に大きな影響は及ぼしません。
同様に「就労支援事業所」での就労も、障害年金の審査(更新を含む)に殆ど、影響しません。
3-2.【労働環境・職場の配慮】
会社から特別な配慮を受けていることで、なんとか働けているという場合は働きながら障害年金を受給できる可能性があります。
たとえば、以下のような場合は「特別な配慮」と認められる可能性があります。
- 就労時間:時短勤務・フレックス勤務など
- 特別に柔軟な勤務形態を認められている(リモート勤務など)
- 本来の業務内容や責任範囲の軽減
- 簡単な業務に配置転換
- 通勤方法への配慮(マイカー通勤の許可)
- 休憩回数を増やして対応してもらっている。
- 障害を補うための特別な器具や設備(例えば、昇降デスク、音声認識ソフト、拡大読書器など)を会社が提供している。
- 業務遂行のために会社が介助者を配置している。
- 休職している。
- 復職支援プログラムを提供されている。
4.働きながら障害年金を受給する!②【病気の影響で日常生活の制限】
また、なんとか頑張って会社に行けても、以下のように病気の影響で日常生活に制限が出ているという方も働きながら障害年金を受給できる可能性があります。
- 帰宅した途端どっと疲れが出て寝込んでしまう
- 休日は家事も一切できない
5.注意すべきポイント
働きながら障害年金を申請する際に、注意すべきポイントは以下の3点です。
5-1.医師とのコミュニケーション
就労しながら障害年金を申請する際には、就労の実態を日頃から医師に実態を伝えておく必要があります。
精神疾患や内臓疾患で就労中に障害年金を受給するためには、会社から特別な配慮を受けていたり、勤務時間以外の生活に支障が出ていたりといった事情があることが必要です。
その内容を就労実態は診断書の内容にも反映してもらわねばなりません。
しかしながら、
・勤務先の特段の配慮の伝え方がわからない
・就労実態の伝え方がわからない
・勤務時間以外の生活の支障がわからない
など、お困りの声をよくお聞きします。
そのような場合は当センターにご相談ください。
5-2.診断書の確認
診断書をお医者さんに作成してもらったら内容を確認しましょう。
会社から特別な配慮を受けていたり、勤務時間以外の生活に支障が出ていたりといった事情が診断書に記載されていないと、障害等級が低くなったり、支給停止となる可能性があります。
そのような場合、就労実態は診断書の内容にも反映してもらわねばなりません。
しかしながら、
医師にお願いされるのを躊躇されることもあるかと思います。
そのような場合は当センターにご相談ください。
5-3.受給後に就労した場合
受給後に働き始めた場合には更新時に注意が必要です。
就労したことで、障害等級が低くなったり、支給停止となる可能性があります。
会社から特別な配慮を受けていたり、勤務時間以外の生活に支障が出ている場合、就労していても、受給が継続される可能性があります。
就労実態や日常生活状況を診断書の内容にも記載してもらわねばなりません。
しかしながら、
医師にお願いされるのを躊躇されることもあるかと思います。
そのような場合は当センターにご相談ください。



