初診日の重要性と注意点
目次
障害年金を請求するのに「初診日」を避けて通ることはできません。
今の医療機関の初診の日ではありません。障害年金における初診日とは、「その症状で初めて医師の診察を受けた日」です。
現在の医療機関の初診の日ではないことに注意してください。
こう書くとシンプルで簡単なのですが、障害年金請求で一番大切になる日で、私たちのような専門の立場から見ても、大変奥が深い日になります。
特に「膠原病」などの初診日については、慎重に対処すべきです。
一度、当センターにご相談ください。
1.【初診日要件】もらえる障害年金の等級や金額が変わる!
初診日に加入している年金制度により、障害年金を受け取るには、初診日に国民年金か厚生年金に加入していることが必要です。(20歳前傷病を除く)
初診日にに加入していた年金の種別が確認され、裁定の基準(支給・不支給)や金額が変わります。
同程度の障害であっても障害厚生年金・障害共済年金では3級の認定基準を満たして障害年金が支給されても、障害基礎年金では3級がありませんので、不支給となります。
代表的な例として「人工関節置換」などがあります。
| 初診日に加入していた年金 | 請求できる障害年金の種類 | 障害の等級など |
| 国民年金 | 障害基礎年金 | 1級、2級 |
| 厚生年金 | 障害厚生年金 | 1級、2級、3級 障害手当金※ |
◇年金の種類についてはこちらをご覧ください。
◇貰える年金額についてはこちらをご覧ください。
2.【納付要件】受給権を左右する大変重要な日付
障害年の申請には納入要件があります。
この「初診日」を基準日として、納付要件(納入要件)を確認します。
納付要件を満たさない場合、障害年金の申請はできません。
◇納付要件についてはこちらをご覧ください。
3.誤りやすい初診日
障害年金における初診日とは、「その症状で初めて医師の診察を受けた日」です。
※鍼灸院・整体院は初診となりません。
※健康診断も初診となりません。
誤りやすい初診日の例は下表のとおりです
| 例 | 初診日 |
| 障害となる傷病に対して治療行為を受けたまたは療養に関する指示があった 例:頭痛と不眠で内科を受診。内科で心療内科受診を勧められた |
一番初めに医師等の診療を受けた日 |
| 同一傷病で転院した場合 | 一番初めに医師等の診療を受けた日 |
| 傷病名が現在と異なる場合 例:神経症(パニック障害)などからうつ病に病名が変更された |
一番初めに医師(歯科医師)の診療を受けた日 |
| じん肺・じん肺結核 | 初めてじん肺と診断された日 |
| 先天性心疾患、網膜色素変性症など | 具体的な症状が出現し、初めて診察を受けた日 |
| 先天性の知的障害(精神遅滞) | 出生日 |
| 過去の傷病が治癒し、同一の傷病で再発した場合 | 再発し医師等の診療を受けた日 |
| 障害の直接原因となった傷病前に相当因果関係があると認められる傷病がある時(注1) | 最初の傷病で初めて医師の診療を受けた日 |
| 起因する疾病があっても「社会的治癒」が認められる場合(注2) | その後に初めて医師の診療を受けた日 |
(注1)相当因果関係 (注2)社会的治癒
【線維筋痛症・化学物質過敏症・慢性疲労症候群・重症筋無力症】
令和3年8月24日から一定の条件を満たしていれば請求者が申し立てた日を、障害年金の初診日として取り扱うことが認められました。
4.相当因果関係
障害年金における相当因果関係とは、「前の疾病やケガがなかったら、後の疾病は起こらなかったであろう」と認められる関係のことを指します。
この関係が認められると、たとえ別の病名であっても、障害年金の審査上は「同一の病気」として扱われ、初診日が先行する病気の初診日までさかのぼることになります。
4-1.相当因果関係ありの例
相当因果関係ありとして取り扱われることが多いものとして、以下のケースが例示されています。
- 糖尿病と、糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症・糖尿病性壊疸(糖尿病性神経障害、糖尿病性動脈閉塞症)
- 糸球体腎炎(ネフローゼ含む)・多発性のう胞腎・慢性腎炎に罹患し、その後、慢性腎不全を生じたものは、両者の期間が長いものであっても、相当因果関係ありとして取り扱う
- 肝炎と肝硬変
- 結核の化学療法による副作用として聴力障害を生じた場合
- 手術等による輸血により肝炎を併発した場合
- ステロイド投薬による副作用で大腿骨頭無腐性壊死が生じたことが明らかな場合
- 事故または脳血管疾患による精神障害がある場合
- 肺疾患に罹患し手術を行い、その後、呼吸不全を生じたものは、肺手術と呼吸不全発生までの期間が長いものであっても、相当因果関係ありとして取り扱う
- 転移性悪性新生物は、原発とされるものと組織上一致するか否か、転移であることを確認できたものは、相当因果関係ありとして取り扱う
4-2.相当因果関係なしの例
相当因果関係なしとして取り扱われることが多いものとして、以下のケースが例示されています。
- 糖高血圧と、脳出血または脳梗塞
- 糖尿病と、脳内出血または脳梗塞
- 近視と、黄斑部変性、網膜剥離または視神経萎縮/li>
5.社会的治癒
社会的治癒とは、社会保険独自の見方で、以下を満たす場合に認められることがあります。
- 医学的に治癒していなくても、治療の必要がなかったこと
医師の指示で通院や服薬を中断したなど、客観的な証明が必要です。 - 普通に生活したり就労したりできる期間がおおむね5年以上ある
社会的治癒が認められたあとに医療機関を初めて受診した日が、初診日となります。
6.発達障害と他の傷病の関係
平成23年6月30日付にて発出された、厚生労働省年金局長通知「国民年金・厚生年金保険障害認定基準の一部改正について」において、 下表のとおり取り扱われることになりました。
| 前発疾患 | 後発疾病 | 同一疾病 |
| 発達障害 | うつ病 | 同一疾病 |
| 発達障害 | 神経症で精神病様態 | 同一疾病 |
| うつ病・統合失調症 | 発達障害 | 診断名の変更 |
| 知的障害(軽度) | 発達障害 | 同一疾病 |
| 知的障害 | うつ病 | 同一疾病 |
| 知的障害 | 神経症で精神病様態 | 別疾病 |
| 知的障害・発達障害 | 統合失調症 | 前発疾患の病態として出現している場合は同一疾患(確認が必要) |
| 知的障害・発達障害 | その他精神疾患 | 別疾病 |



